昭和28年から38年間、教鞭を執り。退職前の2年間は、校長を務めた方から貴重なご意見をいただきました。
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子供のいじめ問題による自殺が大きな社会問題になっています。
新聞・雑誌・テレビなどが、特集で大きく取り上げ、必死の説得を試みたこともありました。
「生きていればいいことがあると信じて」
「いじめるほうが悪い。だから死んではいけない」
「勇気を出して」
どれも強く生きよと訴えるメッセージですが、どれほど子供たちの心に届いているものでしょうか。
かつて、私が担任したクラスにもいじめがありましたが、早急な対処を心がけていました。
一例ですが、一人の子をクラス全員が無視したり、トイレに閉じ込めて出られなくしたことがありました。
そのいじめが発覚した時はすぐに、クラス全員を集めて一時間ほど注意をしました。
そのあとで、いじめられた子供の家庭を訪問し、保護者と本人を交えて徹底的に話を聞き本音で語り合いました。
このように教師が対処して、問題を解決できるものも多いでしょう。
しかし、どんな場合でも、これだけは子供に伝えねばならないことがあります。
それは、どれだけ苦しくとも、生きねばならぬ理由です。
これがハッキリしていれば、たとえいじめられても、自信と勇気を持って生きていけるに違いありません。
ところが、その答えを示すべき大人もまた、生きる意味が分からず苦しんでいます。
論点こそ違いますが、高校生の履修問題で校長の自殺が相次いだことがありました。
苦しければ死んでもいい、という考えは、自殺する子供と本質的には変わらないでしょう。
教職員の自殺が少なくないのが現実であり、大人も子供も、なぜ自殺してはいけないのか、その解答を知らないのです。
苦しいこと、つらいこと、大変なことを乗り越えてまで生きる意味は何か、この答えを知らない教師に指導される子供は悲劇です。
子供たちに「なぜ自殺はいけないか」を教えることは、換言すれば、「なぜ苦しくとも生きねばならぬのか」を教えることでしょう。
いじめ問題で、命の尊さが問われている今、生きる意味を徹底して教え伝える、根本的な取り組みが急務と思わずにおれません。